【朝ドラ立身出世物語#5】小芝風花「あさが来た」 遅咲きに順番がやってきた 

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小芝風花
小芝風花

 朝ドラで脇役を務め、現在主役級として活躍する俳優の軌跡や魅力を、放送作家の山田美保子さんがつづります(6回続きの5)。

 山田さんのさらに詳しいトーク音声をYouTubeやポッドキャストで聴けます。記事末尾をご覧ください。

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 ヒロインの娘役や姉妹役を機にブレーク。そこからNHKに育てられスターダムを駆け上がるパターンが朝ドラにはあるとこれまでも書いてきた。

 「あさが来た」で元祖キャリアウーマンのような母(波瑠)に反発する娘を好演、その後も「伝七捕物帳2」や「女子的生活」、そして主演作「トクサツガガガ」で人気を確実なものとした小芝風花も代表的な一人だ。

 CMでは執事役の竹中直人に関西弁でツッコミを入れれば、同年代の女性向けコスメを手に“姫スマイル”を浮かべている。

 「あさが来た」から7年、映画「魔女の宅急便」でキキを演じてから9年がたった。今では映画でもドラマでも主演を張るのが当たり前。ただ他の“立身出世俳優”と比較するとやや遅咲きなのである。

 代わりに「あさが来た」で大ブレークしたのは、メガネが印象的だった吉岡里帆だ。女学校の友人(小芝)の母あさに心酔し、キャリアアップを目指す役だった吉岡と、“働く女性”を応援する視聴者のマインドも合致したのだ。

 加えて小芝は実年齢で吉岡より4歳も下。主演級の人気女優が多数所属する事務所内でも小芝は“順番待ち”のようだった。

 果たして年齢や序列と彼女の実力が相乗効果をもたらし、最高の状態となっているのが現在。

 多くのドラマ評論家がその瞬発力の良さと大胆な演技、滑舌の良さなどを絶賛した「波よ聞いてくれ」(テレビ朝日系)と「転職の魔王様」(フジテレビ系)での正反対の役どころを見れば「若きカメレオン女優」との称賛も聞こえてくる。小芝の順番がやってきた。(放送作家)

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 やまだ・みほこ 1957年東京都生まれ。バラエティー番組「踊る!さんま御殿!!」などの構成を手がける。コラムニストなどとしても活躍。



 ※当記事と連動した、さらに詳しい山田さんのトークを、ポッドキャスト番組「山崎あみ『うるおう』リコメンド」(うるりこ)で公開しています。YouTubeの他、Spotify、Apple、Amazon、Googleの各ポッドキャストで聴けます。

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