【東京ウオッチ】本物のカルチャー魅せる“アートの街”渋谷―ウェス・アンダーソン新作イベントが渋谷パルコで いまのTokyoをつかむイベント情報(9月2日~10日)

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特設会場にオープンしている、映画「アステロイド・シティ」の世界観を表現した期間限定カフェ=東京・渋谷パルコ(撮影・RYO NAGATA)(提供写真)
特設会場にオープンしている、映画「アステロイド・シティ」の世界観を表現した期間限定カフェ=東京・渋谷パルコ(撮影・RYO NAGATA)(提供写真)

 ◎「渋谷半世紀」 Shibuyaカルチャー最前線

 【2日(土)】

 ◎「渋谷半世紀」 Shibuyaカルチャー最前線

 ▽「ウェス・アンダーソン新作映画『アステロイド・シティ』公開記念 POP UP CAFE & EXHIBITION」(カフェは9月10日まで、展示会は4日まで、渋谷パルコ)

 ウェス・アンダーソン監督の新作「アステロイド・シティ」公開記念のイベントが渋谷パルコで開催されている。

 1950年代の米国が舞台の同作は館内「ホワイトシネクイント」でも上映。隕石が落下してできた巨大クレーターが観光名所の街に招待された、科学賞受賞の子どもたちとその家族の物語だ。

 ギャラリーでは出演者ジェイソン・シュワルツマンさん、トム・ハンクスさんらの衣装や小道具を展示。スカーレット・ヨハンソンさんの衣装にはロケ地の砂漠を思わせるサボテンの花を精緻に描いている。映画事業担当部長の竹井信治さんは「映画を構成する本物の美術に触れる機会は貴重。細部に監督のこだわりを感じる」と説明。

 特設会場のポップアップカフェでも作品の世界観を表現し、色鮮やかな飲み物を提供している。企画担当プロデューサー重藤瑠衣さんは「色彩、デザイン、音楽…アンダーソン作品は総合芸術。新たな角度で優れた文化を紹介するのも“アートの街”渋谷の役割だと思う」と話した。

 ▽アートホテル「TRUNK(HOTEL)YOYOGI PARK」開業(渋谷区富ケ谷)

 緑豊かな代々木公園に隣接した奥渋谷に、注目のアートホテルが開業。建築家、デザイナーの芦沢啓治さんがデンマークのデザインスタジオ「ノームアーキテクツ」と協業し、このエリアに残る街並みや雰囲気を建物や室内に反映させた。

 館内では岩竹理恵さんら国内の若手アーティストの作品を紹介。滋賀県の障害者福祉施設「やまなみ工房」でアートワークを行う障害者たちの色彩豊かな作品もレストランや客室で鑑賞できる。関係者は「カリモク家具デザインの椅子、有田焼の器などと合わせて空間全体でアート性を感じてほしい」と語る。

 総支配人の由井賢治さんは海外の国々で地域カルチャーの大切さを学んだと言う。「渋谷駅周辺の規模感重視の開発とは対極的。等身大の渋谷を表現した。日本各地の優れた創造力を奥渋谷で展開したい」と語った。

 宿泊者以外も利用できるレストランでは環境を意識した食材を提供。渋谷や日本のローカルを五感で味わえる場所だ。



 ○そのほかのお薦めイベント

 【5日(火)】

 ▽「ヒルトン東京 スイーツビュッフェ『絵本の国のアリス』」(~11月16日、新宿区・ヒルトン東京「マーブルラウンジ」)

 名作童話「不思議の国のアリス」の世界をモチーフにしたスイーツと一緒にお茶が楽しめるイベントが、新宿で行われる。

 モノクロで2次元風なデコレーションを施したビュッフェ台には、物語のイメージを落とし込んだスイーツが並ぶ。

 「絵本の国のチェスゲーム」は、塩キャラメルビスケット風味のムースにスパイスが効いたクリームを忍ばせたケーキ。栗のムース「秋のクイーンの御成り」、バラ風味のクリームが香る「珍しくスイートなハートの女王様」などユニークなメニューが用意されている。ドイツの「ロンネフェルト」社の紅茶も提供。

 “絵本の国”というコンセプトを秋の味覚と共に楽しめる機会となる。

 【10日(日)】

 ▽「トミヤマユキコさんと考える 生きづらさに効くマンガの処方」(14時、東京都中央区立男女平等センター「ブーケ21」、入場無料)

 東北芸術工科大准教授のトミヤマユキコさんを講師に迎え、漫画を参考書として「人生の悩み」について考えるトークイベントが中央区湊で開催される。

 「タイムパフォーマンス」が求められるしんどい時代。トミヤマさん自身の体験も交えて、さまざまな「生きづらさ」の解決を模索する。日ごろ漫画を読む人、読まない人にも「こんな世界がある」と思わせてくれる。

 ▽「宇川直宏展 FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE」(~11月5日、練馬区・練馬区立美術館)

 1980年代末から映像作家、グラフィックデザイナー、VJなど多彩な活動を行っているアーティストの宇川直宏さんの展覧会が、練馬で開催される。

 2010年にライブストリーミング・チャンネル「DOMMUNE(ドミューン)」を開局し、アーティスト、文化人、学者らを招いたトークセッション、DJプレイ、ライブなどを世界に配信。国内外の先端的なアートシーンに大きな影響を与えてきた。

 本展ではドミューンが蓄積した膨大な「番組アーカイブ」を現代アートとして紹介。子どもを含む一般の人々が、番組映像を基に自由な発想で作成した絵画や立体作品なども展示する。

 学芸員の真子みほさんは「過去映像や音声をインスタレーションとして展示する今までにない試み。アーカイブが新たな創造に結びつくことを知ってほしい」と話した。

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