北斗星(6月9日付)

 ナデシコは細い糸が集まったような花びらが繊細で愛らしい。秋の七草の一つとして知られる。近年はサッカー女子日本代表の愛称「なでしこジャパン」が頭に浮かぶかもしれない

▼2004年アテネ五輪出場の際、一般公募で決まった。日本女性を指す「大和撫子(なでしこ)」から取り、世界に羽ばたくようにと「ジャパン」を組み合わせた。一気に浸透したのは11年の第6回ワールドカップ(W杯)の優勝だろう。決勝では3度目の優勝を狙った米国を2―2からのPK戦で下した

▼当時、本県の小学生や高校生の女子選手に話を聞いた。「いつか同じ舞台に立ちたい」などと憧れを口にした。サッカー界で男女を通じ初めての世界一という快挙は励みになった

▼第9回W杯が7月20日に開幕する。3大会ぶりの世界一を目指すなでしこのメンバーに、秋田市出身の石川璃音(りおん)選手(19)=三菱重工浦和=が選出されるかどうかが注目される。海外勢に劣らない172センチの上背と、スピードを生かしたプレーが持ち味のディフェンダーだ

▼御所野小を卒業後、日本サッカー協会(JFA)が有望選手を育成するJFAアカデミー福島に入校。現在は「WEリーグ」で活躍する。2月の国際親善大会で代表デビューし「小学生の頃からの夢がかなった。もっと女子サッカーを盛り上げたい」と話していた

▼石川選手には大舞台に立ち、自分らしい花を咲かせてほしい。その姿に憧れて後に続こうとする本県の女性選手も出てくるはずだ。

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