失格乗り越え、加藤が準決勝へ 相棒の支えを力に
前日にボールガールに球を直撃させて失格となった女子ダブルスから一転、加藤は同じコートでプッツと組んだ混合ダブルスで準決勝に駒を進めた。「試合を最後までできた。(人々が)私を見かけたら声をかけてくれた。それもうるっときた」。温かい「加藤」コールが起きる中、涙があふれ出た。
故意ではなく、失格には納得していない。当日夜は食事がなかなか喉を通らなかった。心を解きほぐしたのは「いい思い出を作って前日の出来事を忘れてほしい」と願ったプッツだった。
優しく声をかけ、プレーでは加藤の瞬発力が最大限に生きる前衛で活躍できるように後方から組み立てた。相棒の支えに、加藤は「選手として目の前の試合をただやろうと心がけた」と集中し、得意のボレーもさえ渡った。
試合後の記者会見では失格のショックを引きずる加藤が涙を流し、中座した。会場に戻ると、言葉の出ない自身の気持ちをプッツが代弁する場面も。「すごく助けてくれて、心地よくプレーをさせてくれた」との言葉に実感がこもった。
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