【東京ウオッチ】“素材の美”にやすらぐインテリア―皆川明さんがハウスメーカーと初コラボ いまのTokyoをつかむイベント情報(3日~11日)
◎今週の一推しイベント
【3日(土)】
▽「『ミナ ペルホネン』の世界広がるコラボレーションモデルハウス『HUE(ヒュー)』」(世田谷区・積水ハウス駒沢シャーウッド展示場HUE、事前予約制、展示の終了年月日は未定)
人気ブランド「ミナ ペルホネン」創業デザイナーの皆川明さんがディレクションを手がけた積水ハウスのモデルハウス「HUE」が、駒沢で展開されている。
皆川さんにとってハウスメーカーとのコラボレーションは今回が初めて。物の形と素材の質感の変化に愛着が感じられるようにインテリアの提案を行ったという。
刺しゅうの粒で円形を連続に描いた名作「タンバリン」などのテキスタイルデザインが住居内各所に使われ、アート性の高い空間が広がっている。ビンテージや素材の美しさを表現したアートピースもダイニングなどに取り入れた。光が差し込むテラスを抜けたリビングのカーペットには「木漏れ日」をモチーフにしたデザインも。
皆川さんは「アートは心にやすらぎを与えてくれ時には励ましてくれる。インテリアも人生に寄り添うことで愛着が増す」と話した。世代を超えて続くデザインの在り方を感じられる機会となる。
○そのほかのお薦めイベント
【3日(土)】
▽「2023年夏のコレクション展『南 桂子 銅版画展―静かな王国』」(~8月6日、中央区・ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション)
少女や鳥、樹木などを題材にした作品を手がけた銅版画家の南桂子の展覧会が、日本橋蛎殻町で開催されている。
南の作品約45点、夫であった浜口陽三による約10点の銅版画も紹介。銅版画ならではの肌合いと調和する、繊細でメルヘン的な作品世界に触れることができる。
1950年代後半に日本人女性としていち早く銅版画の可能性を見つけたことで知られる。富山県高岡に生まれ、戦後東京に出て油彩画を団体展に発表。その後に渡仏し国際的な銅版画家として頭角を現した。作品のモチーフは約40年間ほとんど変わらず「鳥」「少女」「一本の木」などを描いた。
学芸員の神林菜穂子さんは「優しさ、寂しさ、希望がちりばめられた静かな銅版画の世界を、一人旅をするように鑑賞してほしい」と説明した。
▽「青山シャクヤク祭り」(~4日、港区・青山フラワーマーケット 南青山本店、「北欧ガラス展」は11日まで開催)
季節の移ろいに合わせた花々を体感できる「青山花祭り」。チューリップ、バラに続くその第3弾として、優雅で凜とした美しさのシャクヤクを紹介するイベントが南青山で開かれている。
シャクヤクの特徴は、つぼみから花開き散るまでの日々の劇的な変化。新緑の季節に出回る花の旬は一瞬で、その瞬間の美しさを楽しみにする人も多い。イベント中は、たくさん飾ることで花の魅力を楽しんでもらえるよう、本数を買うほどお得なシャクヤクがたっぷりと用意されている。
花が映えるガラスベースを紹介する「北欧ガラス展」も開催。隣接のフラワースクールでブーケレッスンが受けられ、カフェでは有機栽培のハーブティーも味わえる。
▽「ANAインターコンチネンタルホテル東京 アトリウムラウンジ『抹茶アフタヌーンティー』」(~9月30日、港区・ANAインターコンチネンタルホテル東京「アトリウムラウンジ」)
香り豊かな抹茶を用いた「抹茶アフタヌーンティー」が、ANAインターコンチネンタルホテル東京で提供されている。
パイナップルやマンゴー、パッションフルーツなどを組み合わせた12種類のプチガトーには京都・宇治の老舗「辻利一本店」の抹茶を使用した。5種類のセイボリー(塩味の軽食)と共にグリーンの色調で展開。ドイツの老舗紅茶ブランド「ロンネフェルト」のアイスフレーバーティーなど19種の飲み物が楽しめる。抹茶風味の日本酒とミルクのカクテル「抹茶ミルキーウェイ」も用意。
コロナ禍をきっかけに再燃したアフタヌーンティーの人気は健在という。エグゼクティブペストリーシェフの日吉崇之さんは「美しさと特別感が理由にあるのでは」と説明。「本場の宇治抹茶を使用したスイーツを楽しんでほしい」と話した。
▽「みんなの『わがまま』入門~“モヤる”声を挙げるむずかしさを探る~」(10時、事前予約制、オンライン開催)
立命館大の富永京子准教授を迎え、「わがまま」とみなされる背景を探り、言いづらいことを言いやすくする方法を学ぶイベントが開催される。
労働、子育て、ジェンダーギャップの問題について周囲に意見を伝えたり、政治を批判したりするのを私たちはちゅうちょしていないだろうか? 今の社会は、自己責任や個人主義の考え方が強くなっている。そのため、個人の意見の表明を“わがまま”とみなすことが多い。批判への恐れから声を上げるのを思いとどまることもある。
「おかしい」という誰かの声でその問題に関心を持つ人が増えれば、社会は変わっていくかもしれない。私たちが声を上げる意義を一緒に考えられるイベントだ。