【アソまなビ #3】生き物の個性にフォーカス 大阪府吹田市、ニフレル
大阪府吹田市の「ニフレル」は、水族館と動物園、美術館が融合したユニークな生き物の展示施設だ。ジンベエザメで有名な水族館「海遊館」が手がけて2015年開業。「生きているミュージアム」として幅広い世代に親しまれている。(共同通信=鈴木賢)
大阪モノレールの万博記念公園駅を出るとすぐ、ニフレルの建物が視界に入ってくる。背後の観覧車と合わせて見ると、白いクジラが潮を吹いているようにも見える。
「ニフレルの名称は、生き物の個性にフォーカスを当て『感性にふれる』というコンセプトに由来しています」と広報担当の西前綾子さん。
館内は八つのゾーンに分かれている。最初の「いろにふれる」ゾーンには、穏やかな照明の中に、南の島の浅瀬をイメージして作られた水槽が点在。カクレクマノミなど色とりどりの魚やエビを集めた水槽は、どれも円柱状で360度どこからでも観察可能だ。
続いて「わざにふれる」ゾーン。フグやタコなどが「隠れる」「色を変える」といったさまざまな技を披露する。飼育担当の宮川訓さんは「お客さんと会話のキャッチボールをできるのが楽しい。遠慮せずに何でも気軽に質問してほしいです」と笑顔で話してくれた。
夜の森を思わせる「およぎにふれる」ゾーンに入ると、水槽近くの壁や天井に、魚の影や水の揺らぎが投影されるように照明が工夫されており、新しい視点で魚の動きを学ぶことができる。
巨大アート空間の新「ワンダーモーメンツ」は、3月にリニューアルされたばかり。ホールに浮かぶ直径5メートルの球体とフロアの直径8メートルの円形スクリーンに、生命の根源を表す25種類の美しい映像が絶えず映される。西前さんが「フロアのスクリーンに人が入ると、映像が変化することもあります」と教えてくれた。
2階の「みずべにふれる」ゾーンでは、開業当初から展示され、大人気のホワイトタイガーが雄姿を見せてくれる。「生まれた時から水遊びが好きだったので、アクアと名付けられました。10歳です」(西前さん)
観察ゾーンでは最後の「うごきにふれる」にいる約15種の動物はおりに入れられていない。ワオキツネザルやクジャクたちが共に暮らす“シェアハウス”に来館者がおじゃまする形で、動物たちのくつろいだ姿を間近に見ることができる。
ニフレルにいる生き物は全館で約120種。訪れれば、新しい出合いや発見が必ずあるはずだ。
【メモ】万博記念公園駅から徒歩約2分。16歳以上2200円、小中学生1100円。3歳以上650円。年中無休。