北斗星(5月26日付)

 秋田・青森両県沖を震源とした日本海中部地震から、きょうで40年になる。北海道や青森県を含めた犠牲者104人を悼み、地震や津波への備えを再確認する日としたい

▼ことしは関東大震災が発生してから100年。昼食時の発生だったことで火災が多発、被害を拡大したといわれる。このため「火の始末」が教訓として定着した。ただ今どきの調理器具には安全装置もある。無理に消そうとはせず、身の安全を最優先しよう

▼日本海中部地震も正午前の発生。遠足で男鹿に来ていた旧合川南小の児童たちは海岸で昼食を取ろうとして犠牲になった。「日本海に津波はない」との俗説が被害を拡大したともいわれる。教訓の第一には津波への警戒が挙げられよう

▼釣り人たちの津波体験をつづった「大津波に襲われた」(県つり連合会編)では津波の恐ろしさが率直に語られている。その中に能代市北部、峰浜村(現八峰町)近くを流れる竹生(たこう)川でコイを釣っていた男性の体験談がある

▼河口から約400メートル上流で揺れと津波の遡上(そじょう)に気付いた男性は、急いで車を走らせ難を逃れた。同村の津波は高さ14メートルに達し、川の近くにいた農家がのまれたという。東日本大震災では海岸から約4キロの宮城県の小学校で多数の児童が川を遡上した津波の犠牲になった。教訓を共有しなくては

▼秋田市のある川の上流域で水田に飛来した海鳥を見た。小さな川も海とつながる。川を遡上することもある津波の脅威を忘れてはならない。

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