2021年6月に改正食品衛生法が施行され、漬物の製造、販売に衛生管理レベルの高い施設の整備が必要となっている。秋田県は保存食として多様な漬物が家庭で作られ、直売所などを通じ多くの人に親しまれてきた。重い費用負担をどう乗り越えるかなど生産者への影響は小さくないが、脈々と受け継がれてきた食文化を守ろうとするグループ、事業者もいる。悩みながらも奮闘する現場に迫った。3回続き。
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山内いぶりがっこ生産者の会(横手市)前会長の高橋一郎さん(80)=山内筏=が幼い頃、冬の食料を確保するため各家では野菜を塩やぬかに漬けて保存食にした。
ダイコンは漬け込む前に乾燥させる必要があるが、晩秋から冬にかけては雨や雪の日が多く、やむなく家の中に干していた。当時はどこの家にもいろりがあり、熱と煙でいぶされ、自然と煙の香りがつく。こうした豪雪地帯ならではの生活スタイルから、いぶりがっこが誕生したとされる。
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