秋田県由利本荘市に伝わる「本荘追分」と「秋田馬子唄」の両全国大会は、2019年を最後に幕を閉じた。出場者の減少などが背景にあったとはいえ、両大会とも民間が主導して開催を続けてきた歴史があっただけに、関係者にとっては、苦渋の決断だった。
北前船の寄港地として栄えた藩政期に船乗りが伝えたとされる本荘追分。大会は旧本荘市時代の1984年、「全国」を冠した県内初の民謡大会として、追分の継承と地域振興を目的に商工会が立ち上げた一大事業だった。評判は遠くブラジルにも伝わり、現地日系人らが大会を開き、本大会に招いたこともある。

「立ち見していた人もいたほど。伴奏者として間違えられないし、緊張の連続。出場者が多い年は休む暇もなかった」。本荘追分保存会長で、第14回から三味線伴奏に加わった佐林(さばやし)公善(きみよし)さん(72)=同市石脇=が懐かしむ。県内だけでなく、東京や大阪からも唄い手が集まった。
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