唄い方ばかり評価、土の匂いが失われた… 「民謡全国大会」浮かぶ課題

連載:#あきた民謡・第3部「全国大会」
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 秋田県内で開かれる民謡全国大会は、例えば「秋田長持唄全国大会」といったように、いずれもその地域で唄い継がれた1曲だけで競う。いわゆる「地元一曲民謡大会」だ。

 日本各地には1963(昭和38)年に始まった江差追分(北海道)をはじめ、50を超える地元一曲大会がある。京都大大学院人間・環境学研究科の梶丸岳助教(42)によると、その大半は70年代後半から80年代にかけての民謡ブームを背景に、地域活性化や唄の継承の一環として始まった。


 本県では84年の本荘追分を皮切りに、2010年に始まった秋田飴売り節まで13の全国大会が誕生した。運営母体は大会によって自治体、商工団体、民謡団体などさまざまだ。

 梶丸さんが主催者に聞き取り調査したところ、県内の大会のほとんどが全国と同様に地域活性化と唄の継承を目的に始まった。地域振興名目で国からの予算が付いたことが、開催の動機の一つになったという大会も複数あった。

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