
創設から15年目を迎えた「ふるさと納税」が活況を呈しています。応援したい自治体へ寄付した分が、自分が住む自治体の住民税や所得税から控除され、地場産品を返礼品として受け取ることができるこの制度。利用者のメリットは大きく、寄付総額は年々増加。直近の21年度は8千億円を突破し、導入された08年度の約100倍に膨らみました。人口減少に悩む地方において、自治体財政や地域経済を支える存在になっています。(デジタル編集部・斉藤賢太郎)
ふるさと納税は、生まれ故郷や応援したい自治体へ寄付をすると、翌年度の所得税と住民税で控除を受けることができる制度。人によって上限額は異なりますが、その範囲内で寄付をすれば、2千円を引いた全額が控除されます。さらに、返礼品として好みの地場産品を選ぶことができるのも人気の理由です。
寄付額・件数は初期こそ横ばいでしたが、15年度に確定申告が不要な「ワンストップ特例」が導入されたほか、住民税所得割の控除上限が1割から2割へ引き上げられたことで、一気に増加。その後の数年間は、多くの寄付を呼び込もうとする自治体間の「返礼品競争」の過熱が問題になりました。
こうした状況を改善するため、総務省は2019年、法改正によって返礼品を寄付額の3割以下にするなどの見直しを実施。この年度は寄付額が微減したものの、翌年度から増加基調に戻り、今や1兆円に迫ろうかという勢いです=チャート①。
県内の寄付額上位は北秋田市と仙北市
「市民が倍になったよう」
2020年1月、門脇光浩・仙北市長(当時)のこんなコメントがニュースになりました。19年度途中までの寄付額が7億3千万円に達し、市民税収入と同規模になったことを受けた発言。19年度の寄付額は最終的に約8億2千万円まで増えました。
直近の21年度で、県内25市町村のうち、ふるさと納税の寄付が住民税(収入済み額、法人含む)を上回っているのは、仙北市(1.33倍)と北秋田市(1.23倍)。21年度の寄付額は北秋田市が約14億3千万円で初めて県内トップになり、仙北市が2番目の約11億3千万円でした=チャート②。両市とも返礼品はコメが人気とのこと。
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