北斗星(11月23日付)

 「国土面積は秋田県よりやや狭い」。サッカーのワールドカップ(W杯)のニュースで目にしたり耳にしたりした開催国カタールの紹介だ。はるか遠い中東のペルシャ湾に突き出した半島の国が身近に感じられる

▼人口は約290万人と本県の約3倍。ただ自国民は1割で、9割は南アジアやアフリカ出身の外国人労働者だという。首都ドーハは超近代的な高層ビルが立ち並ぶ中東有数の国際都市

▼その豊かさは砂漠や海底の油田、ガス田から産出する豊富な石油・天然ガスのおかげだ。天然ガス埋蔵量は世界3位。日本への液化天然ガス(LNG)の主要供給国でもある

▼11月でも最高気温が30度を超える砂漠の国。暖房が欠かせない季節を迎えた本県とは面積以外に共通点はなさそうに思えた。しかし本県には国内有数の産油県だった歴史がある。かつて本県に油井のやぐらが林立した光景はカタールの今とどこか通じるのかもしれない

▼本県の海岸と沖合には巨大風車が立ち並ぶようになった。沖合の洋上風力発電の風車は年内にも国内初の大規模商業運転を始める見通し。すっかり様変わりをした沿岸の風景だが、再生可能エネルギーが生み出されている最前線と思えば心強い

▼ドーハのサッカー競技場は冷房完備で、選手も観客も快適に過ごせる。太陽光発電による再エネの電力を使っているそうだ。県内はぐっと冷え込んできた。日本がドイツと初戦を迎える今夜、しっかり厚着してテレビの前に陣取ろうか。

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