北斗星(11月20日付)

 ロシアの国名を繰り返し叫んで喜ぶロシア人らしき一団がいた。2002年サッカーワールドカップ(W杯)日韓大会の1次リーグで、ロシアがチュニジアに勝利した時のことだ。電話でチケットを確保し、秋田から駆け付けて観戦した神戸のスタジアムの光景が目に焼き付いている

▼日本はその4日後にロシアを下し、W杯初勝利を挙げた。さらに16強まで進んだ。あれから20年。日本時間のあす未明、W杯カタール大会が開幕する

▼ロシアは今大会の欧州予選で、W杯出場まであと2勝の段階までこぎ着けた。だがウクライナへの軍事侵攻を非難する国際サッカー連盟などが2月末、予選途中で出場禁止を決定。一方のウクライナは欧州予選最終戦まで進み、世界から称賛された

▼ウクライナの戦火がW杯にまで影を落とすのは残念だ。出場チームにはフェアプレー精神の下、互いをたたえ合うことを通じ、世界平和の尊さを訴える大会にしてほしい

▼日本は初の8強以上が目標。23日の1次リーグ初戦のドイツ戦が大きな鍵を握りそうだ。ドイツはW杯優勝4度の強豪。日本代表にはドイツ国内のチームに所属する選手が26人中8人もいる

▼1977年から西ドイツ(当時)に渡り、欧州の主要リーグでプレーする日本人選手の先駆けとなった鹿角市出身の奥寺康彦さん(70)=横浜FCシニアアドバイザー=はドイツで活躍する日本人選手の増加を喜ぶ。「ドイツに勝つ可能性だってある」との言葉に期待が膨らむ。

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