フランスのピアニスト、アンリ・バルダ=写真=の演奏を私が初めて聴いたのは、家族が自宅で流したCDであった。情熱的で遊び心に富んだ演奏に、どんなピアニストなのだろうとCDジャケットを見ると、想像とは正反対の穏やかで紳士的な顔立ちをしていた。
2019年12月、バルダのピアノリサイタルが東京文化会館大ホールで開催された。得意とするショパンだけのプログラムである。満席の会場でバルダは、ショパンの名曲や数々の大曲を圧倒的なピアニズム(演奏技術)で軽々と弾きこなした。奏でられる音楽は、先が想像できない自由さとロマンティシズムに溢(あふ)れ、観客を感動の嵐の中に巻き込んでいった。
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