北斗星(11月7日付)

 文化功労者に先日、選ばれた詩人安藤元雄さんの散文詩「銀杏(いちょう)」は秋の日の午前、「銀杏並木の枝という枝が、突然一斉に葉を落し始めた」ところから始まる。一晩中続く落葉の後の恋人との別離が幻想的に描かれている

▼秋田市内の通りや公園などでもイチョウの葉が散り、鮮やかな黄色で地上を染める季節となった。太平山では先週末、初冠雪が観測された。きょう7日は立冬。暦の上では冬の始まりとされる

▼朝晩めっきり冷え込みが厳しくなった。気がかりなのは光熱費の値上がりだ。10月末の本県の灯油価格は、18リットル当たり店頭で1909円、配達で2005円。これでも政府が石油元売り会社に補助金を支給し、高騰を抑制した結果だ

▼昨年の今ごろは補助金なしで店頭、配達が1900円前後。産油国の協調減産などが影響した。一昨年の同期には店頭、配達共に1300円台。その後の値上がりぶりに驚く

▼政府は来年1月にも電気・都市ガス料金の新たな負担軽減策を導入。1~9月の軽減額はガソリン・灯油代も含め標準世帯で4万5千円という。効果に期待を寄せたいところだが、ウクライナ情勢の不透明さもあり、なかなか不安払拭とまではいかないのではないか

▼政府は富裕層も一律に支援するよりも、低所得世帯の支援に重点を置くべきだろう。自衛策としては昨冬に続き、できるだけ寒くないよう室内でも厚着するなど、光熱費節減に努めることも迫られそうだ。この冬の備えを急ぎたい。

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