ローカルメディア列島リレー(37)おきなまさひと(まちびと会社ビジョナリアル共同代表)

 全国のローカルメディアの旗手が、どんなふうに、独自の発信の場を作っているのかを綴るコーナーです。紙もウェブも、ラジオもアートプロジェクトも、料理教室だって「ローカルメディア」に? 日々の取り組み、アイデアと奮闘の記録です。

「うちうちを。ひろめる。」

 こんな言葉が出たのは、私たちが暮らし関わる福岡県の久留米で、コロナによって止まった活動をそれぞれの自宅から繋ごうと生まれた「オンライン公民館」という活動のメンバー達からだった。

 まちの発信を考える時、例えば、まちの魅力やアピールポイントを表のA面とし、知られたくない課題や裏暮らしをB面と見立てる。

 一見きらびやかで、華やかに見えるイベントや、観光事業や商業のA面の裏側には、ドロドロした人間関係のB面があったりもする。

 ローカルな暮らしや活動は、掘れば掘るほどオモシロいし、噛めば噛むほど味が出てくるものだ。

 このAとBの両面を面白がったり掘り下げていくことを好物とする、また珍味好きの人たちの存在や、そんな変態的な人との出会いは格別であり。まち独自の奥ゆかしさや官能的な部分の豊かさが奥に潜んでいる。

 そう言えば昔、近所の喫茶店主のおじさんが「まちづくりには魔物が住んでいる」とよく言っていたことを思い出す。

 内輪受けと揶揄されても「うちうちを広めること」が、その活動の根っこを強くしていく。

 ローカルの活動や発信の仕方は多様だから面白い。特効薬と漢方薬に作用の違いがあるように、外向きと内向きに対して効果を使い分けながら、「地域」という土に根ざすような発信の在り方が大切だと改めて気がついた。


【おきな・まさひと】まちびと会社ビジョナリアル共同代表。1982年、福岡生まれ。久留米市在住。その地に住み関わる人々が主役となる地域づくりを考えながら、公と民の連携における合意形成や伴走する地域プロジェクトメイカー。くるめオンライン公民館館長、奥八女焚火の森キャンプフィールド、ちはやをよくする会(ちはや公園)のアドバイザーなど。

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