遠い風近い風[小嵐九八郎]60年目のラブ・レター

有料会員向け記事

 9月の初っぱな、かみさんが珍しくもおずおずとして、赤い紐(ひも)で括(くく)った小さな箱を「はい、贈り物よ」と差し出した。

 俺の誕生日は過ぎたし、結婚記念日も終わったし、もしかしたら悪さが発覚し「警告を含んだナイフか」と冷やりとしながら、小箱を開けた。

 ほっ。小箱には、花模様の便箋と男性用の香水の瓶が入っていただけだった。

 待て、便箋には当方の悪さが発覚し、脅しの言葉がつらねてあるのではと恐る恐る紙の折り目を拡(ひろ)げた。相変わらず下手な字だが、小学校低学年生のように丁寧に書いてある。

お気に入りに登録
シェアする

秋田魁新報(紙の新聞)は購読中ですか

紙の新聞を購読中です

秋田魁新報を定期購読中なら、新聞併読コース(新聞購読料+月額330円)がお得です。

新聞は購読していません

購読してなくてもウェブコースに登録すると、記事を読むことができます。

この連載企画の記事一覧

秋田の最新ニュース