北斗星(6月24日付)

 孫を、息子を、そして兄弟を見守るような温かい空気が球場を包んだ。一つのストライクに拍手が起き、アウトを取れば大喝采。甲子園で「金農旋風」を巻き起こしたエースが4年ぶりに戻ってきた

▼21日に秋田市のこまちスタジアムで行われたプロ野球の楽天―日本ハム。日ハム・吉田輝星投手(金足農高出)の地元でのプロ初登板を見ようと、球場は1万7千人超の大観衆で埋まった。楽天の先発は球界を代表する則本昂大投手。憧れの投手と故郷で投げ合う最高の舞台だ

▼四回までは1安打に抑えた。しかし五回、2点適時打を喫し、さらにピンチを招いて交代。悔しそうな表情で降板したものの万雷の拍手を浴びた。元気な姿を目にし、多くのファンが安堵(あんど)したことだろう

▼今シーズンは1軍での経験を優先し、中継ぎでの起用が軸。5日の阪神戦は先発で3回4失点。1軍初の甲子園球場で成長ぶりをアピールできなかった。新庄剛志監督は3度目の先発を「ラストチャンス」とし、秋田で5回まで投げてほしいとしていた

▼高校時代の思い出の地での先発はビッグボスの粋な計らいだ。あとアウト二つで合格だったが、今季最長の4回1/3で今季最多の72球。もう一度チャンスがありそうだ

▼高校3年夏の秋田大会決勝以来の古里での登板。吉田投手は「ずっと楽しみにしていた」と言う。応援は何よりも力になったに違いない。今季1勝2敗で通算2勝8敗。こまちでの登板が飛躍のきっかけになればと願う。

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