社説:[2022参院選]論戦スタート 生活・憲法、真摯に説明を

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 参院選の論点をテーマ別に取り上げます。

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 第26回参院選が公示された。全国で計545人が125議席を争う。7月10日の投開票に向け、18日間の論戦の火ぶたが切られた。

 衆院選と異なり参院選は政権選択に直結せず、時の政権が「中間評価」を受ける選挙とされてきた。しかし、今回の選挙は従来以上に重い意味を持つ。

 ロシアによるウクライナ侵攻は長期化が懸念される。侵攻に伴って世界的にエネルギーや食料の価格が上昇。日々の生活に直接影響する物価高にどう対応するか。各党、各候補者の主張に耳を傾け、評価を下したい。

 岸田文雄首相(自民党総裁)が憲法改正に意欲的なことも注目される。改憲に前向きな自民、日本維新の会、国民民主党、「加憲」を掲げる公明党を合わせた改憲勢力が今回82議席を獲得すれば、改憲発議に必要な3分の2以上を維持する。

 82議席は4党の改選議席と同数。現状維持で達する。衆院解散を行わなければ、2025年夏の参院選まで3年間は大型国政選挙がない。

 この「黄金の3年」を手にした場合、岸田政権が改憲への動きを一気に加速させる可能性がある。改憲を主張する各党は、戦後日本を形づくってきた憲法をどう変え、これからの日本をどのような国にしようとしているのか、国民に真摯(しんし)に説明しなければならない。

 自公が設定する勝敗ラインは「非改選を合わせて与党で過半数」。与党の改選69議席を大幅に下回る56でも届く。責任論回避のための低めの目標だ。野党第1党・立憲民主党の泉健太代表は野党で改選過半数(63議席)を掲げる。

 勝敗の鍵を握るのが本県選挙区を含む改選1人区。与野党が一定割合で議席を分け合う複数区と違い、一騎打ちの構図になりやすい。野党は16年、19年の参院選で、32の1人区全てで統一候補を擁立。それぞれ11勝、10勝と一定の成果を上げた。

 だが今回は野党共闘が後退。立民は旧民主党勢力の再結集を狙ったが、連携を求められた国民民主は自民に接近。このほか立民は共産党との距離感を鮮明にした。事実上の与野党一騎打ちは11選挙区にとどまった。

 一騎打ちの構図をつくれず、反自民票が分散する状況は避けられないだろう。ただ、野党各党は主な争点でも主張に違いが見られる。どれだけ訴えを浸透させられるか、各党の地力が問われることにもなりそうだ。

 本県選挙区も野党候補の一本化はならず、1998年以来24年ぶりとなる6人が立候補。各候補は物価高、改憲など国レベルの問題にとどまらず、人口減少対策、東京一極集中是正、農業振興、再生可能エネルギー推進など地方や本県に関わる重要課題でも積極的に論戦を交わしてほしい。

参院選の関連ニュースのほか、投開票日当日には開票速報を行います

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