北斗星(6月16日付)

 「役所の縦割りを壊すのがだんだん楽しくなった」。菅義偉前首相が先日の会合で、自ら進めた行政改革をこう振り返った。代表的なのは農業向けや発電用を含むダムの運用。台風の時期は複数ある所管省庁を国土交通省に一元化し、各種ダムを洪水対策に活用した。デジタル庁は民間出身者も起用して創設した

▼いくら壊しても縦割りの弊害はなくならないのか。防衛省が一部の風力発電事業者に計画変更を要請していたことが分かった。風車がミサイルなどを感知するレーダーの支障になると危惧したようだ。それならなぜ風力発電を推進する経済産業省と事前調整できなかったのか。連携不足は明らかだ

▼洋上風力発電の「有望な区域」の一部で風車を設置しないよう求めた事例もあった。場所は公表されていないが、本県沖の可能性もある

▼防衛省は遅くとも2018年6月には風車の影響に気付けたはずだ。秋田市に配備が計画された地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」に関し、県が配備候補地周辺の陸上風車が支障になり得ると指摘したからだ

▼あれから丸4年。各地で洋上風力事業が動き出している。今になって変更を求められても事業者には寝耳に水だろう

▼昨日、菅氏が縦割り打破の象徴として創設に注力した「こども家庭庁」の設置関連法が成立した。厚生労働省と内閣府の部署を移管し、虐待や貧困、少子化などに対応する。狙い通りに省庁間の壁を越えられるのか、真価が問われる。

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