北斗星(6月11日付)

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 関西で秋田民謡を広めたい。そんな思いから始まった催しが今年で26回目を迎えた。兵庫県尼崎市で先ごろ開かれた「秋田民謡西日本大会」である

▼コロナ禍の影響を受け3年ぶりの開催。「秋田長持唄」「生保内節」「本荘追分」「能代舟唄」「姉こもさ」…。関西在住の愛好者約100人が三味線や太鼓の音に合わせ、久々に自慢の喉を競った

▼関西に秋田民謡を根付かせたのは、集団就職や出稼ぎ先で歌い続けた県出身者たちだ。そんな人が集う場となったのが、にかほ市出身の店主が営む大阪府守口市の民謡酒場「みすじ」。ここから指導者として活躍する人も出た

▼西日本大会は1994年、みすじに集まる民謡好きの有志が立ち上げた。当初は参加者集めに大苦労。大阪市で秋田民謡の普及に尽力し、日本民謡連合会長なども務めた秋田市雄和出身の初代梅若梅朝(ばいちょう)さん(故人)や近畿秋田県人会の協力を得て軌道に乗った

▼「秋田出身の先人の苦労のおかげで今がある」と語るのは、梅朝さんの娘で今大会実行委員長の梅若晶子さん(44)。秋田民謡について「奥が深くて歌いがいがある」と話す。西日本大会を機に秋田民謡に魅了され、県内の全国大会出場を目標にする愛好者も少なくないという

▼「明(あけ)の方から福大黒舞い込んだナー」。大会のオープニングを飾ったのは、明るく弾む曲調が印象的な「秋田大黒舞」。民謡人口の高齢化と減少が進む本県に、西の方から大きな励ましの声が舞い込んだようだ。

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