時代を語る・明石康(9)東大講義に初め失望
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新制大学となった東大の教養学部に1年浪人して入りました。1950(昭和25)年のことです。やはり日本で一流の大学だし、兄の蔵書に東大の先生方の書いた本が多くありました。早大、慶大にも引かれましたが、東大は授業料が安く、親にかける負担がそれだけ小さくなります。まあ、とにかくいい先生、いい友達に恵まれるのではないかと期待していました。
でもね、東大の講義を受けて初めはえらく失望しました。100人ぐらいが入る大教室で有名な先生方が教えてくれるわけですけど、先生の本に既に書いてあるようなことをしゃべるわけですよ。これはつまらないと思って。新刊書を読んでいた方がよほど面白いので、大学の図書館をよく利用しました。
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