ピンクモジャ:CS初挑戦! 夢の舞台、沖縄アリーナへ

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大観衆で埋まった沖縄アリーナ

ピンクモジャのアウェー・ブースター通信(50)



2017年5月14日の出来事を、ハピネッツブースターならば鮮明に覚えているでしょう。
残留プレーオフで敗れ、B2への降格が決まったあの日のことを。
あれからちょうど5年が経ちました。

私は今、沖縄から東京へ戻る飛行機の中でこの原稿を書いています。
ハピネッツが熾烈なワイルドカード争いを勝ち抜き、チャンピオンシップ(CS)進出を決めたのは1週間前。
慌てて沖縄アリーナのチケットを取り、航空券とホテルをおさえ、たまっていた仕事を無理やり片付けて、なんとか沖縄へ向かいました。


クオーターファイナルの結果は2連敗。
その先のステージへ進むことは叶わなかったけれど、私はすがすがしい気持ちでいっぱいです。
あの涙の降格から5年後、悲願のCS進出を果たしたという思い出とともに帰京するなんて、当時の私には想像もつかなかったのですから。
眼下に広がる白い雲を眺めていたら、目頭が熱くなりました。

夢の幕を下ろしたのはあの選手


夢のCS進出をアシストしてくれたのは、かつて秋田を有明プレーオフに導いた富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)。
その夢に幕を下ろしたのも、やはり秋田に関わりの深い選手だったというのは、いささかできすぎた話かもしれません。

第2戦、2017―19シーズンにハピネッツに所属していた小野寺祥太選手(琉球ゴールデンキングス)は、古巣を相手に4本のスリーポイントを沈めました。
チームハイとなる14得点を挙げ、秋田の流れを断ち切ったのです。

第2戦で大活躍した琉球・小野寺


B2時代、選手や審判を相手にしばしばヒートアップしていたショータ。
そのたびに私たちは、ベンチから「ショータ!あどいいから!まずやめれって!」と秋田弁で叫び、必死になだめたものでした。
それが「もう(3Pは)やめれって!」と心の中で悲鳴を上げざるを得ない羽目になるとは…。

ペップに散々怒鳴られた上に、テクニカルを取られてうなだれていた、あの「わげしゅう」が、CSという大舞台で、チームのトップスコアラーとして大活躍したのです。

今回のCSで、ノボル、ソータ、タケシら若手選手は、出場時間に恵まれず、思うように力を発揮できませんでした。
はた目からも、肩に力が入りすぎて、気持ちが空回りしていたように見えました

ドリブルで切り込む秋田・長谷川


けれど、私は、彼ら「新・わげしゅう」に大丈夫だよ、と伝えたい。
今日大活躍したあの選手だって、秋田で揉まれて、苦しんで、ここまで来たんだよ。
君たちが選んだチームは必ず、君たちを成長させてくれるはず。
私たちブースターが保証するよ。

試合終了後の動画配信で、古川が「不甲斐ないプレー」と謝っていたけれど、決して私はそう思いません。
選手はみな、気迫のこもったプレーを見せていました。

ただ、それがかみ合わなかった。
ボールは手につかず、今シーズン最大の武器だったスリーポイントも最後まで不調でした。
これがCS常連チームとの差なのだと痛感しました。

沖縄アリーナ、そのスケールに目まい


CSの重み、そして沖縄アリーナの迫力に飲み込まれたのは、私たちブースターも同じかもしれません。
地元のキングスブースターの友人に案内され、足を踏み入れた瞬間、そのスケールの大きさにめまいがしそうでした。

天井からメガビジョンが吊るされ、照明の演出もド派手な沖縄アリーナ


5階まですり鉢状に配置された観客席。天井から吊り下げられた510インチのメガビジョン。
さすがに目にすることはできませんでしたが、VIP専用のエントランスやスイートルームも備えられているとのことでした。

これまでに私が遠征してきたどのバスケ会場からもかけ離れた、非日常を全身で感じさせるエンターテインメント空間に、ただただ圧倒されました。

もちろんアリーナグルメも他とは一線を画しています。
アウェー遠征で不足しがちな生野菜をふんだんに使ったサラダやタコス。
テビチ(豚足)が入ったユニークな沖縄おでん。
ヘルシーかつおしゃれなベーグル。

アリーナ内のグルメコーナー


地元の友人たちから得たおススメ情報をもとに、沖縄アリグル食い尽くしを狙って入念なスカウティングを重ねていましたが、あっという間に売り切れていたのは誤算でした。
ちなみにアリーナ内での買い物はすべてキャッシュレス。
売り子のお姉さんに、現金しか持っていなくて困る人はいないのかと尋ねてみたところ、「電子マネーを持っていない人もたまにいるんです。でも周りのお客様がなんだかんだで助けてくれるんですよね」

そう、ド派手な空間に気圧されて忘れていたけれどここは「日本一、人懐っこいアリーナ」(モジャ調べ)。
3年前、沖縄市体育館に来た時も思わぬ歓待を受けて感激したけれど、人の温かさは全く変わっていませんでした。

アリーナへ向かう途中でキョロキョロしていたら駆け寄って道案内してくれたご夫婦。
通路で「めんそーれ!いい試合にしようね」と声を掛けてくれた見ず知らずのブースター。

側の席にはペパーミントグリーンのファンズユニを身に着けた男性がいました。
この男性、聞けば、地元沖縄の方なのですが、長谷川誠さんの古い友人なのだとか。
「おれは今日、ハピネッツを応援するよ!」とあちこちのハピブーに話しかけ、沖縄アリーナの雰囲気にのぼせていた私たちにも「ここに来られただけで満足したって顔しちゃだめだよ!」と喝を入れてくれました。

試合の翌日、那覇空港へレンタカーを返しに行くと、荷物を運んでくれたスタッフのお姉さんが、ピンクのメガホンがはみ出たバッグを見て「もしかして…」。なんと彼女もキングスブースターで昨夜は同じ空間にいたのでした。
「ファイナルに進出したら東京に行く」という彼女に、「絶対優勝してね!待ってますから」と声をかけました。

「これがゴールではない」


私たちの今シーズンの旅は、秋田から1900キロ離れた沖縄で終わりを迎えました。
4強に進めなかったことは残念ですが、私たちを、CSという憧れの舞台へ連れて行き、最高の思い出をお土産に持たせてくれたハピネッツには感謝しかありません。

古川は「CSに出られたことは嬉しいけれども、これがゴールではない」ときっぱり言ってくれました。
私はその言葉を信じます。

声援を送るハピネッツブースター


川崎戦でのドラマチックなブザービーターや宇都宮戦での逆転劇。
見ていてこんなにもワクワクするシーズンは初めてでした。
来シーズンは、セミファイナル、そしてファイナルとまだ見ぬ景色を、ハピネッツは見せてくれるはずです。

アウェー・ブースター通信は今回でちょうど50回。
記念すべき回を、こうして明るく締めくくることができることにホッとしています。
来季はもっと心躍る体験が私を待っている。
10月からまた日本中を元気に飛び回るため、体と少々酷使した胃をしばし休めたいと思います。

みなさん、CNAアリーナで、そして、全国のアリーナで会いましょう。

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