時代を語る・明石康(1)国際平和の議論、今も

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国際平和への思いを熱く語る=東京都港区の個人事務所
国際平和への思いを熱く語る=東京都港区の個人事務所

 元国連事務次長の明石康さん(91)に来し方を語ってもらいます。

 ◇  ◇

 1957(昭和32)年から40年間、ニューヨークに本部のある国連で仕事をしました。

 国連は第2次世界大戦が終わった45年に発足。敵対関係にある国や民族の間に入って紛争や戦争の危険をできるだけなくす使命を担います。そのため、私はかなり緊張した国際問題の交渉の場にも居合わせました。

 90年代は国連事務総長特別代表という立場で、内戦で混乱したカンボジアと紛争の続くユーゴスラビア(当時)に派遣されました。共に判断の難しい場面があり、時に批判も受けましたが、とことん議論をして地域の安定へ打開策を探りました。

 退任後は広島平和研究所の初代所長やスリランカの平和構築を図る日本政府の代表を務めました。仕事をしていないと落ち着かない性分で、休みが多いとかえって調子が狂います。今も国連時代の仲間や有識者とのオンラインセミナーに参加して、国際平和について意見を交わしています。

 最近は2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻が議論になります。国連安全保障理事会は平和と安全に主な責任を持ち、決議には法的拘束力が伴います。安保理に諮られた侵攻を非難する決議案は、当事国で常任理事国のロシアが拒否権を行使して否決されました。

 しかし、平和の破壊や侵略があると思われるのに安保理が行動を取れない場合、全ての加盟国が入る国連総会が代わりに行動できます。3月に国連総会の緊急特別会合で、3分の2を超える141カ国が非難決議案に賛成。法的拘束力はありませんが、これだけの国が意思を示したのは意義があると思います。

 ロシアの侵攻に関して国連は機能していないと言われ、改革を求める声があります。なかなか難しい問題です。私も意見を求められますが、簡単に答えを出せるものではありません。

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