社説:コロナ「第7波」 重症化から高齢者守れ

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 新型コロナウイルスの感染者数の増加傾向が続く。流行「第7波」と見る専門家もおり、収束の見通しは立たない。

 今後、大型連休を迎えて人の移動が盛んになれば、感染がさらに拡大することが懸念される。政府は、施設に入所する高齢者ら重症化リスクが高い人を守る医療体制の拡充など、これまでの流行の反省を生かして対策を進めるべきだ。

 オミクロン株流行による年明けの第6波では、最大36都道府県にまん延防止等重点措置が適用された。感染者は1日10万人を超えたこともある。3月下旬の全面解除後も感染者数は高止まりしていた。

 感染が再び増加に転じているが、岸田文雄首相は現時点では重点措置を適用することは考えていないと表明した。病床使用率などが低水準で、高齢者の約85%が3回目接種を終えたことなどを理由に挙げた。

 従来の重点措置は、営業時間短縮要請など飲食店対策が中心だった。第6波では学校、保育園や高齢者施設でのクラスター(感染者集団)が増加。自治体などからは、オミクロン株の特性に応じた対策を求める声が上がった。

 施設の高齢者はコロナ感染症自体は軽症であっても発熱などで体力が衰え、基礎疾患の持病が悪化して亡くなる例が相次いだ。クラスター発生を防止し、たとえ発生しても患者が重症化しないように迅速に対応できる体制づくりが重要だ。高齢者施設と医療機関の連携強化など、第6波の反省を生かした対策が求められる。

 第6波以降、若者の感染増加が著しい。3回目接種を受けたのは全年代で見ればまだ45%ほどにとどまる。特に20~30代は20%台と接種率の低さが際立つ。これが全体の感染増の一因だ。若者は感染しても無症状や軽症が多いため、接種の効果や意義が十分伝わっていないことが理由と専門家は指摘する。

 若者の感染を減らさなければ、若者から高齢者への感染を断つことは難しい。3回目接種による発症予防効果は2回接種の場合よりも高いことを示す国内の研究がある。若者にもワクチン接種に協力してもらえるよう粘り強い呼び掛けが必要だ。

 現在の感染者の増え方には地域差がある。東京や大阪など大都市の増加は緩やか。地方は過去最多を更新するなど増加が顕著だ。本県も今月12日、最多の445人を記録した。医療機関が少なく、医療が逼迫(ひっぱく)しやすい地方の感染急拡大を抑えることが肝要だ。

 従来のオミクロン株「BA・1」が、感染スピードがより速い派生型「BA・2」に置き換わりつつある。5月第1週には9割を超えるとみられるという。双方の遺伝情報が交じった「XE」も検疫で確認された。政府は、さまざまなウイルスの可能性を想定して幅広い対策を準備するべきだ。

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