北斗星(3月28日付)

お気に入りに登録

 蒸気機関車が蒸気を勢いよく吐き出す。ガタンガタンとレールが鳴る。そんな大音響が左から右へ通り過ぎ、次第に遠ざかる。奥羽山脈の急勾配に耐えるため先頭の機関車に加え、貨車の後ろにさらに機関車を2両つないで運行した音だという

▼大館駅から盛岡市の好摩駅までを結ぶJR花輪線で1968年に録音された。全国各地で活躍したSLの音を収めたCD付きの書籍「蒸気機関車のサウンド」(音楽之友社)で聞ける。映像はなくてもすごい迫力。鉄道マニアではないが、ひた走るSLの姿を思い浮かべ旅心をそそられた

▼学生時代の一時期、両親が大館市住まいだったので花輪線で帰省した。もうSLは走っていなかったが、車窓から眺める森林の風景は美しく見飽きることがなかった。楽しいひとときだった。長らく花輪線に乗っていないのに気付く

▼花輪線だけではない。コロナ禍が始まって以来、私的旅行で県境を越えたことがない。同様の方は少なくないだろう。そろそろ元通りに旅を楽しみたい気分にもなる

▼県は県民を対象として県内の宿泊や日帰り旅行に対し5千円を上限に半額補助する独自事業を実施中。国は来月、都道府県が広域ブロック内の旅費を割り引く場合、その費用を補助する事業を始める

▼本県は「北海道・東北」ブロック。地震で脱線事故があった東北新幹線の全線再開はもう少し先になりそうだが、ローカル線の旅もいい。コロナの第6波が確実に収束に向かうのが前提だ。

秋田の最新ニュース