社説:宮城・福島震度6強 被災者対応に全力注げ

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 福島県沖で16日深夜、マグニチュード7・4(推定)の地震が発生、宮城、福島で最大震度6強を観測した。両県など各地の死傷者は計180人を超え、被害が拡大。本県でも大仙、横手両市で震度5弱を観測し、けが人が出るなどしている。

 政府と自治体は人命第一に、被災者への対応に全力を挙げなければならない。同時に被害の全容把握を急ぐべきだ。

 東北新幹線では営業運行中の車両が脱線、東北自動車道で路面に亀裂が入るなど大きな被害が発生。大規模停電や断水も相次いだ。これらのインフラを一日も早く復旧させ、人々の日常生活を取り戻す必要がある。

 この地震は、陸の下に沈み込む太平洋プレート内で起きたとみられる。震源は深さ57キロで、東日本大震災後に活発化した領域だった。気象庁は今後、1週間ほどは震度6強程度の地震に注意するよう呼び掛けた。

 福島沖では昨年2月深夜にも宮城、福島で最大震度6強の地震が発生。死傷者は計180人を超えた。地震の規模、震源ともに今回とほぼ同じであり、やはり領域も同様だった。

 気象庁は、二つの地震は関連する可能性もあるとする。大震災のような超巨大地震の影響は何十年も続くとされ、専門家は「余震の収束には長い時間がかかる」と警鐘を鳴らす。

 大震災から11年。日本列島は依然大きな地震の脅威にさらされているということだ。堤防の整備や住宅耐震化、迅速な避難に向けた訓練など行政や団体、地域、個人が各レベルで防災と減災に取り組む必要がある。

 地震のたびに、その安全性が問われるのが原発だ。今回は、東京電力福島第1原発で使用済み核燃料プールの冷却が7時間以上停止した。

 プールにつながるタンクの水位が低下したため、手動で止めたと東電は説明。放射性物質を含む汚染水などの保管タンクがずれているのも見つかった。

 水位低下の原因は何か。ずれたタンクはそれで全てなのか。漏れは本当になかったのか。東電は徹底調査し、原因や被害実態を公表しなければならない。

 昨年2月の地震では、ずれを即時公表せず、地震計を故障したまま放置していたことも発覚。情報発信に消極的な姿勢に対して強い批判があることを、東電は改めて認識すべきだ。

 災害時、自力で避難するのが難しい高齢者や障害者などを支える仕組みづくりも、各市町村で進む。しかしパーキンソン病などの難病患者は、把握し切れていないのが実態だ。障害者には情報が行き届かず、孤立しやすいという状況もある。

 南海トラフ巨大地震の30年以内の発生確率は70~80%、首都直下地震は70%程度とされる。厳しい想定を直視し、災害弱者の命を守る体制づくりを急がねばならない。大都市圏への集中を是正し、災害に強い「分散型社会」の構築も不可欠だ。

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