社説:県の飲食店支援策 苦境乗り切れる対応を

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 新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るう流行「第6波」で、県内の飲食店が苦境にあえいでいる。行政による支援が求められる局面だ。

 県は4月以降、需要喚起のために「プレミアム飲食券」を発行する予定。飲食業界からは、経営継続のための迅速な支援を訴える声も出ている。必要性を見極め、状況に即した適切な対策を打ち出してほしい。

 県内の新規感染者数は1月下旬以降、200人超の日が目立つ。県は独自の感染警戒レベルを「3(警戒)」に設定。不特定多数による会食を控えることなどを県民に要請してきた。

 とりわけ大きな影響を受けているのが飲食業界だ。「客足がぴたりと止まった」「廃業を考えている店主の話をよく聞くようになった」。関係者からは悲痛な声が聞かれる。

 県議会の一部議員は、まん延防止等重点措置の適用を政府に申請するよう県に要請。適用されると、時短営業に応じた協力金が飲食店に支払われることが背景にある。

 これに対し佐竹敬久知事は「飲食店に対する税金の垂れ流しだ」と措置の在り方を批判、申請に否定的な考えを示した。県外では、飲食店を起点とする感染拡大がほとんど生じていない地域にも適用されたとして疑問を呈したとみられるが、飲食店への配慮を欠いた発言と言わざるを得ない。「実情を分かっていないのか」などと反発の声が上がったのも当然だろう。

 確かに県も手をこまねいているわけではない。プレミアム飲食券の発行を打ち出し、関連経費21億円余りを計上した補正予算案が開会中の2月県議会で可決された。750万枚用意し千円分を800円で販売する。飲食業は食材や酒類、タクシー・運転代行など関連する分野が広いため、発行により一定の経済効果が期待される。

 県議会では「飲食店の多くが資金繰りに窮している」として、現金給付を求める意見も出た。県はこれまで2度、経営状況が厳しい飲食店に支援金を出している。改めて現金給付すべきかどうかを含め、検討が必要だろう。

 飲食店への支援策としては、県が昨年5月に導入した認証制度もある。「間仕切りの設置」「換気の徹底」など30項目からなる感染防止対策の基準を満たした店にお墨付きを与える仕組みだ。認証取得のため、設備・備品を購入する店に対し費用を補助してきた。

 県は今年3月末までに認証店を2千店とする目標を掲げているが、現時点で約800店にとどまり、目標達成には程遠い。認証取得のメリットを感じにくいことが要因とみられている。

 認証店を増やすため、認証店に対象を絞った需要喚起策を用意するなど一層の工夫が必要だろう。制度のPRと認証店の周知にも、さらに力を入れなければならない。

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