北斗星(2月18日付)

 北欧のノルウェーは近代スキー発祥の地と呼ばれる。その技術は19世紀、南部テレマーク地方で誕生。スキー板に爪先を固定し「走る、滑る、跳ぶ」を一つの道具でこなすことができる

▼ここから分かれたといわれるのがジャンプ競技だ。着地の際は板に前後差をつけて膝を曲げる。「テレマーク」と名付けられたこの美しい姿勢に、北欧の技術との深いつながりを見る

▼歴史ある競技で世界トップレベルがせめぎ合う。それが冬季五輪だ。空中で板をV字に保ち、遠くへと飛距離を伸ばしていく。テレビを見ていて拳に力が入る。その醍醐味(だいごみ)を台無しにしたのが、北京五輪の混合団体失格問題だろう

▼日本の高梨沙羅選手ら強豪国の女子5人がスーツ規定違反となった。いつもの検査と違う、居ないはずの男性検査員が同席した―と選手側は指摘するが、検査員はルール通りと反論。真相はやぶの中だ。後味の悪さから、もやもやが消えない

▼スノーボード男子ハーフパイプ決勝でも首をかしげた。平野歩夢選手が2回目、圧巻の大技を決めたにもかかわらず得点が低く、会場から非難が噴出。フィギュアスケート女子、ワリエワ選手のドーピング問題も長期化しそうだ

▼この日のため4年間汗を流してきた選手の活躍に、見る側は純粋な思いで声援を送る。双方が一つになる五輪の喜びを損なう出来事が、なぜ相次ぐのか。「メダル至上主義」「商業主義」といった言葉が頭に浮かび、気分はなかなか晴れそうにない。

お気に入りに登録
シェアする

秋田魁新報(紙の新聞)は購読中ですか

紙の新聞を購読中です

秋田魁新報を定期購読中なら、新聞併読コース(新聞購読料+月額330円)がお得です。

新聞は購読していません

購読してなくてもウェブコースに登録すると、記事を読むことができます。

秋田の最新ニュース