社説:国内感染者10万人 対処方針、明確に提示を

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 国内で新たに報告された新型コロナウイルス感染者が3日、10万人を超えた。大阪の過去の計上漏れ7千人余を含む人数。厚生労働省に助言する専門家会合は2日「増加速度は鈍化しているものの、感染拡大は継続」と分析、なお警戒が必要だ。

 主流となったオミクロン株は第5波のデルタ株と比べて感染力が強い。重症化リスクが低いとの見方もあるが、感染者が増えるにつれて入院者や重症者、死者の数が増えている。

 流行「第6波」は感染者数、濃厚接触者数の増大が過去の流行とは桁違い。このため新型コロナの検査と診療に追われ、一般診療やワクチンの3回目接種が滞るなど影響が及ぶ医療機関もあるのは深刻だ。

 検査せずに医師が症状に基づき判断する「みなし陽性」の仕組みを取り入れる自治体の動きが広がる。本県を含む全国17都府県が既に始めている。

 中には若年で重症化リスクが低い人について医療機関を受診せず自宅療養することを認めた自治体もある。外来診療の負担軽減のためだが、従来の「検査、受診が原則」という政府方針の大転換であり、自治体の慎重な運用が重要になる。

 一方、医療機関をはじめ、感染者や濃厚接触者になって欠勤する人が増えた影響が深刻な職場も増えている。厚労省は影響を軽減する見直しを示した。

 感染者の同居家族が濃厚接触者となった場合の自宅待機期間を短縮する。家庭内でマスク着用などの感染対策をして発症がなければ待機期間は従来の最大17日間から7日間にできる。

 社会機能の維持に必要な「エッセンシャルワーカー」が濃厚接触者になった場合、待機5日目にPCR検査か抗原定量検査で陰性になれば解除できるとの見解も示した。従来は4日目と5日目に抗原検査キットで確認した場合に限っていた。ただ待機期間短縮の効果は限定的だ。

 これまで政府は第5波で深刻化した病床逼迫(ひっぱく)への対策を重点的に強化してきた。現在、それだけでは不十分な事態が顕在化していることは重い。

 ワクチンの3回目接種もなかなか進んでいない。医療従事者約576万人のうち接種済みなのは4~5割という。昨年12月に開始していまだこの数字だ。医療現場の希望者が接種を受けられていない状況があるとすれば大きな問題。早急に対応しなくてはならない。

 政府はまん延防止等重点措置の和歌山県への追加適用を決めた。適用対象はこれで35都道府県となる。期限は首都圏など13都県は13日、近畿圏など21道府県は20日まで。延長するのかどうか判断する時期も迫る。

 みなし陽性、濃厚接触者の自宅待機期間短縮などは、オミクロン株の特性への対応として必要だろう。国民の理解と協力を得るため、政府には明確な対処方針を示した上で見直しを打ち出すことが求められる。

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