社説:県警戒レベル3 医療逼迫を確実に防げ

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 本県の新型コロナウイルス新規感染者数が153人となり、過去最多を更新した。これを受けて県は独自の5段階の警戒レベルを県内全域で「3」に引き上げた。警戒レベル引き上げは当然として、感染を抑えて医療逼迫(ひっぱく)を確実に防ぐための対策や戦略が求められる局面だ。

 本県は今月5日まで29日間連続して新規感染者ゼロだった。6日に感染者2人が新変異株「オミクロン株」疑いとされて以降、クラスター(感染者集団)が発生するなど感染が急拡大。21日には能代山本地域に限りレベル3に引き上げていた。

 その後も県内各地でクラスターが発生。21日に55人と過去最多、22、23日に70~80人台、24日に150人超という増え方は極めて急激だ。保育所のほか、小中学校や大学など教育現場での感染拡大が目立つのはこれまでになかった傾向。

 オミクロン株は感染力が強い半面、重症化率が低いとされる。感染者数の増加だけで深刻度を判断するのは難しいのかもしれない。しかし感染者数の急増による影響にも目を向ける必要がある。

 早くに感染拡大が生じた沖縄県では濃厚接触者となった医療従事者が出勤できず、人手不足となった。医療に限らず、警察や保育、介護職員ら社会機能維持に必要なエッセンシャルワーカーらが働けなくなる影響も深刻だ。待機期間の短縮などの対応が取られたが、感染拡大が続けば市民生活の維持が危うい。

 厚生労働省によると保育所の休園が昨夏の第5波を超えて過去最多を更新した。これ以上、休園や小学校などの学級閉鎖が拡大し、仕事を休まざるを得ない保護者が増えれば社会的な影響は一層深刻になろう。

 「まん延防止等重点措置」は現在、16都県に適用されている。さらに24日までに適用要請があった18道府県を合わせ、34都道府県に広がる見通しだ。これには青森、山形など隣県も含まれている。

 適用要請について佐竹敬久知事は「今のところ想定していない」と述べている。重点措置を適用されたからといって、すぐに感染抑制効果が大きくなるわけではない。しかし適用を求めない姿勢が「まだ大丈夫」という誤ったメッセージになる可能性もある。実際にまん延してからの適用では遅い。

 全国的に各地でじりじりと病床使用率が上昇している。検査キットなどは薬局で品薄気味との話が聞かれる。急激な感染拡大が続くようなら医療逼迫の懸念が増すばかりだ。

 頼みとする3回目ワクチン接種者は24日現在で約230万人にすぎない。県内自治体による今後の高齢者向けの接種日程は2月後半の開始も目立つ。流行「第6波」を抑えるための強力な対策が見えないまま、新規感染者数が日々、過去最多を更新するのを見守るだけの事態は避けなくてはならない。

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