北斗星(10月14日付)

お気に入りに登録

 起源は藩政期にさかのぼる。随分長く歌われ、踊り継がれてきたものだ。「秋田名物 八森ハタハタ」で知られる民謡「秋田音頭」である。広辞苑や百科事典で「秋田」を引くと「秋田犬」などと共に記載されているから、本県を代表する唄に違いない

▼秋田市史などによると、1663(寛文3)年に2代秋田藩主佐竹義隆に披露されたという説もある。軽妙な歌詞が特徴だ。土地や歌い手により、さまざまな替え歌が生まれてきた

▼三味線や笛、太鼓などのにぎやかな伴奏、はやしも気分を盛り上げる。近年はロック調にアレンジされたり、仙北市出身の歌手藤あや子さんがヒップホップ調で歌ったり。時を超えて広く親しまれている

▼その音頭が、健康的な食事を県民に日常的に意識してもらうのに一役買う。県の「新・減塩音頭」が完成した。公募で決まった1番の歌詞は「コラ 父(とっ)ちゃも 母(かっ)ちゃも 白米(まま)さ合うどて おかずコ塩(しょ)っぺぐすな」。2番では野菜や果物の摂取を奨励。3番は節酒と禁煙、運動を促す

▼人々は幸せや豊作などの願いを民謡に込め、婚礼や農作業など暮らしのさまざまな場面で歌ってきた。本県は脳血管疾患やがんによる死亡率が依然高く、現代的な健康への願いも込められた

▼せっかく出来上がった新音頭も歌われなければ伝わらない。一過性では成果も上げにくい。元の秋田音頭が長く親しまれているように「健康寿命日本一」を目指す県民運動が長く続くきっかけになればいい。

秋田の最新ニュース