北斗星(7月16日付)

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 戦争や平和、手芸や工作だけではない。国連のSDGs(持続可能な開発目標)関連の本も並ぶ。来週から夏休みを迎える小学生向けに、秋田市の中央図書館明徳館は自由研究のヒントとなるコーナーを設け、約300冊をそろえた

▼自由研究という言葉に、小学生時代の苦い経験を思い出す。カブトムシの生態をテーマに飼育し、順調に卵が産まれた。面白くて毎日触っていたら、卵はあえなく全滅。別のテーマに変更せざるを得なかった

▼そんなことがあったため、埼玉県に住む小学6年生の男児の観察眼には驚かされた。夜行性とされるカブトムシが昼も活動することを発見したのだ。昆虫生態学を専門とする山口大の講師と共同でまとめた論文が米国の学術誌に掲載された

▼カブトムシは普通、日没後に樹液を求めてクヌギなどに集まり、夜明けに別の場所に移動して昼は眠る習性がある。ところが男児は自宅の庭にある東南アジア原産の木を見て疑問を抱いた。昼でもカブトムシがいる。自由研究の始まりだった

▼好奇心の強い男児を母親も応援、大学講師に連絡を取り付けた。講師はメールで具体的な観察方法をアドバイス。男児は小4だった2019年夏から2年間で計231回も粘り強く観察を重ね、常識を覆す発見につなげた

▼コロナ禍の中、昨年に続いてさまざまな自粛が求められる夏休みは、活動の範囲も限られるだろう。ただ自由研究のテーマは案外、身近なところに転がっているかもしれない。

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