新あきたよもやま:ユーチューブばかり見でる子はいねが~

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小松和彦コラム 新あきたよもやま(23)~サイノカミとナゴメハギ③

浅内神社を出発する前に雄たけびを上げるナゴメハギ

ナゴメハギは4匹ずつ、上、中、下の3班に分かれて集落を周る。私たちは集落の中心部を周る「中」の班に密着取材させていただくことになった。「餅もらい」役は原田正胤さんのご子息で中学2年の大翼(だいすけ)君だ。中のチームが担当するのは5、60軒ほど。神社の近くの家からスタートする。

「ごめんください」

大翼君が玄関を開けて入り、ナゴメハギが入っても大丈夫かどうか、家の人に確認する。OKがでると、「ウオー」と一気に4匹のナゴメが中に入った。

「オヤジ!酒ばっかり飲んでるんでねえが~」

「餅もらい」の後から家に入るナゴメハギ

この家に住んでいるのは老夫婦のため「泣く子はいねが~」にはならない。大人たちも戒(いまし)めの対象になるのだ。

雄叫びが一段落すると、家主がナゴメハギ達に「まず一杯飲んで」と居間に座るように勧めた。座卓の上にはお酒とハタハタ寿司が準備されている。
ナゴメハギ達はお面を半分脱いで、家主から注がれた酒を飲む。すっかり元の青年の顔に戻り、雑談に花を咲かせた。

歓待を受けるナゴメハギ

次に入った家では小さな子供がいた。ナゴメハギは本領を発揮する。

「勉強しないで、ユーチューブばっかり見でねえが!」

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