時代を語る・中村征夫(17)撮影の先生は東京湾

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空き缶をすみかにする東京湾のチチブ(撮影・中村征夫)
空き缶をすみかにする東京湾のチチブ(撮影・中村征夫)

 東京湾の海の中は汚れて視界が悪く、被写体を懸命に探すしかなかった。その分、生き物を見逃すまいと目を凝らさなきゃいけない。すると、それまで素通りしてきた所にいろんな生き物が隠れていたことに気が付く。例えば空き缶の穴から人さし指ぐらいの魚が顔を出していたりしてね。

 澄んだ海に潜っても、手前の物からつぶさに観察するのが習慣になりました。こういう撮影の基本は東京湾から教わったんです。生き物が命をつなぐ自然界の営みも学んだ。僕にとってはまさに先生です。だから海中で2、3メートルの岩が一つあれば、1時間ぐらい動かずに生き物を撮っている。一緒に潜る友人からはいつも笑われるんだ。「まだ同じ所から動かない」って。

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