映画ロケを追いかけて(下)監督、秋田弁を熱血指導

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秋田弁のアクセントの手本を示そうと、せりふを読み上げる成田監督

 成田洋一監督(58)の初映画作品「光を追いかけて」の撮影は、深夜や未明にまで及ぶ日もあった。

 五城目町では、飲食店や民家が立ち並ぶ中心部の鵜ノ木地区がロケ地となった。由利本荘市出身の生駒里奈さんらが出演し、人けのない夜の街を歩きながら会話する場面を撮影。住民の了解を得て、スタッフが沿道の民家2階の窓から通りに照明を向け、ストーリーに合った雰囲気をつくり出した。

 劇中で生駒さんと会話を交わす県外出身の俳優が、せりふの秋田弁の微妙なアクセントに苦しむ場面もあった。小雨が降る中、成田監督が手本となってせりふを読み上げ、より自然な言い回しになるよう発声を繰り返していた。

夜の五城目町中心部で撮影に臨む生駒さん

 男鹿市脇本では、廃業した旧ガソリンスタンドを活用。同所での撮影も夜間に行われ、日付をまたいで午前2時近くまで続いた。深夜の気温は10度前後まで下がり、上着を着込んで臨むスタッフが目立った。

 同作品には、主に東京から来県した俳優陣に加え、県内オーディションで選ばれた「地域キャスト」も22人が出演。主人公の同級生や教師、農家、大学生、役場職員などの役があり、せりふがあった人もいた。他に一般県民約60人がエキストラを務めた。

 また、ロケは一般の飲食店などでも行われ、県民がさまざまな形で映画製作に協力した。潟上市では、昭和大久保の「大将寿司(すし)」の店内と店先が撮影地に。開業45年という店主渋谷教悟さん(71)は「自分の店が映画に使われる日が来るなんて想像もしていなかった」と話す。

店内と店先で撮影が行われた潟上市の「大将寿司」

 店先での撮影を見守り、「同じシーンを繰り返すうちに、出演者の演技がどんどん良くなるのが分かって感心した。映画の公開後、地域に少しでも良い影響が表れてくれたらうれしい」と語った。

 県内の撮影は先月10~27日に井川、五城目、男鹿など5市町村で行われた。来春にも風景など一部シーンを撮影する。公開は2021年の予定。多くの県民がその日を楽しみにしている。

(※連載は2019年10月に掲載。年齢などは当時のまま)

連載企画:映画ロケを追いかけて 南秋・潟上・男鹿

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