映画ロケを追いかけて(上)俳優陣、田んぼで奮闘

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撮影本番の合間、コンバインに乗ってリラックスした表情を浮かべる柳葉さん

 秋田市出身の成田洋一監督(58)の初映画作品「光を追いかけて」が、井川町を中心に潟上、男鹿、五城目、大潟の計5市町村で先月10日から27日まで撮影された。農村部や旧小学校舎のほか、市街地の一角などがロケ地となり、連日昼夜を問わず撮影が進められた。キャスト・スタッフ総勢約50人が東京などから来県したロケ現場の様子を紹介する。

(※連載は2019年10月に掲載。年齢などは当時のまま)

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 映画は過疎化が進む架空の町「秋田県鷲谷(わしや)町」を舞台に、思春期の中学生の葛藤や心の成長を描く物語。主役の中学生男女を映画「僕だけがいない街」などに出演した中川翼さんと、モデルで女優の長澤樹(いつき)さんが演じ、由利本荘市出身の生駒里奈さんと大仙市出身の柳葉敏郎さんも出演する。2021年公開予定。

あぜ道で振り返る場面の撮影に臨む長澤さん

 井川町では、山あいに田んぼが広がる町東部の仲台地区で多くのシーンが撮影された。俳優陣や成田監督のほか演出、制作、撮影、録音などの各担当者を合わせ、常時30~40人ほどが各自の持ち場で奮闘。撮影は各シーンとも、流れの確認からテスト、本番へと進められていった。

 「本番いきます。よーい、はい」。助監督の力強い掛け声が響くと、現場には緊張感が漂った。

 一帯はちょうど稲刈りのシーズン。日中の田んぼやあぜ道での撮影では余計な音が入り込まないよう、近所の農家に協力を得て、一時的に農機を止めてもらう時もあった。柳葉さんが農機に乗ったり、小型無人機ドローンで空撮したりと、さまざまな演出、こだわりが見られた。

撮影は井川町仲台地区の田んぼを広々と使って行われた

 スタッフは井川町定住促進センターや町営住宅、五城目町内などに宿泊。食事は現場近くの自治会館などで、井川町映画製作を支援する会(会長=斎藤多聞町長)が弁当を提供し、炊き出しも10回行った。井川町の食生活改善推進協議会や婦人会などのメンバーが腕を振るい、最大で1度に120食を作った。

 婦人会の遠藤由美子会長(66)は「地元の女性陣で気持ちを一つに取り組めた。こうした機会に恵まれ、充実感と感謝の気持ちでいっぱい。映画製作に携わる人たちは若々しく輝いていて、わくわくをたくさんもらった毎日だった」と話した。

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